オジュウチョウサン物語 その7 歴史的名馬から史上最強馬へ

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2017年を年間無敗で終えたオジュウチョウサンはこの勝利により、グランドマーチスフジノオーが持つ中山大障害連覇記録、コウエイトライの障害重賞最多賞記録、さらにはテイエムオペラオーJRA重賞連勝記録の全てにタイで並ぶこととなった。
オジュウチョウサンは去年に引き続き、この年のJRA賞最優秀障害馬に当然の選出。しかも今回はそれどころではない。なんと年度代表馬投票にて3票を獲得したのだ。記録上、JRA賞において障害馬が障害競走のみで年度代表馬票を得たのは史上初めてのことである(単なる障害出走馬であればメジロパーマーがいる)。この年、平地競走では「みんなの愛馬」キタサンブラック古馬王道6戦全てに1番人気を背負い出走し、4勝3着1回という驚異的な成績を残し、引退レースの有馬記念でも有終の美を飾ってターフを去っていった。通常年であれば満票選出されてもおかしくない成績である。
そんな中でオジュウチョウサンに投じられた3票に込められたのは、単なる競争成績への評価だけでは無いように思う。

日本の競馬体系の中で、障害競走は率直に言って日陰のレースである。99年に行われたグレード制導入改組からこちら、平場のレースはローカルに押しやられ、重賞賞金も減る一方(JG1である中山大障害の賞金が同日開催されるG2阪神カップのそれを下回っているのである)。改組時の目玉施作の1つであった中山グランドジャンプもいつのまにやら外国馬招待制度は廃止。JRA公式ホームページでも「今週の注目レース」欄からJG1以外の障害重賞は除外され、地上波ではJG1ですらダイジェスト放送しか行われない。それが障害レースの実情だ。馬券売り上げによって支えられている日本競馬界において、馬券の売れない障害レースの扱いが悪くなっていくのは仕方の無いことではある。

そんな日本競馬界において、オジュウチョウサンの活躍は競馬ファンの障害競走に対する注目度を確実に変えつつある。
暮れの中山大障害では入場者数と馬券売り上げが前年比で1.4倍を超え、ターフィーショップでは障害馬としては異例のオジュウチョウサンのオリジナルグッズが発売。動画サイトにアップされた東京ハイジャンプ中山大障害のレース動画は平地G1競走並みの再生数。2017年のベストレースに中山大障害を挙げる声が障害ファン以外からも多く上がった。2018年はさらに障害競走に多くの人々の目が集まることだろう。
オジュウチョウサンの走りが、日本競馬における障害競走の位置付けそのものを変える可能性すら、わずかだがあるのだ。オジュウチョウサンの獲得した3票には、そんなわずかな「可能性」に対する思いが含まれているのではないだろうか。

2年に渡る活躍で絶対王者の名をほしいままにしたオジュウチョウサンだが、このまま記録を伸ばせばグランドマーチスに次ぐ史上2頭目の障害馬からの顕彰馬選出、そして日本競馬史上最強障害馬の称号も夢ではなくなる。
もちろん、今と昔とではレース体系も制度も異なる。かつての中山大障害は勝つたびに斤量が増える制度であったし、大竹柵も竹柵の締まりが緩くなり掻き分けやすく変わったと言う。故に、単純なレース実績だけでもって軽率に「史上最強」などと言うべきではないかも知れない。
しかし、だ。前述の通り、障害レースはその存在自体が苦境に立たされているという現状がある。そんな中で現れた、名前がちょっと玉に瑕な歴史的スターホースの存在に、何かしらの夢を見たくなるのは筆者だけではないはずだ。

先の中山大障害アップトゥデイトオジュウチョウサンの差が絶対的なものでは無いことが示された。この2頭のライバル物語はおそらく今後も続いていくだろう。復帰予定のニホンピロバロンとの再戦もある。新たにデビューする障害馬達の中にどんな未来の大物がいるやも知れない。そして、2018年も順調に活躍を続ければ、フジノオー以来およそ50年ぶりの障害馬による海外挑戦も本格的に視野に入ってくるだろう。楽しみはまだまだ沢山残っている。

オジュウチョウサンのこれからのさらなる活躍に心から期待しつつ、今日のところは筆を置くとする。


以上、「オジュウチョウサン物語」でした。こんなクソなげえ素人のテキストを読んでいただきまことにありがとうございました。

やー、こういうの書いて本当思うけど、「講談師、見てきたようにものを言い」だよねえ。俺が実際に現地観戦したレースがどんだけあるよってw
あと何かまるで2、30年来の障害競馬ファンみたいな顔してるけど、競馬歴自体がまだ4年だからな。昔ながらのファンの方は「若輩者が偉そうに」と笑ってやってくだせえ。

とりあえず書き切ったなって感じで満足。ひょっとしたら今後の資料次第では間違いがあったら修正するかも。
続きはまた引退した後にでも書きたいもんだね。

それでは皆さんこの辺で。