鉄血のオルフェンズ1〜3話感想2「あの世界、重力ってどうなってんの?」

という訳で鉄血語りの続き。「SF描写について」と「ロボットアニメとして」。

SF描写について

 ここがちょっと不満点として結構大きい所で、まあまだ3話段階だから何とも言えない所だけど、火星を舞台にしてる割に現状だと「別にこれ中東って設定で問題無くね?」って気分にさせられる程度にはSF的な面白さがない。
 いやまあ別にそこが無くちゃいけないって訳でも無いんだけど、テラフォーミング後の別惑星を舞台にしてるんだから、それ相応に地球とは異なる火星ならではの生活スタイルや景色、天候、環境もろもろとかを絵的にも面白く描いてみせて欲しい、と思うのは人情ではあるまいか。
 で、そこで一番挙げやすいのが、既に多くの人が指摘しているように重力問題。本来火星の重力は地球の1/3程度なのだけど、3話まで見る限り、とてもそんなふうには見えない。ただ、だからといってそこを安易に批判すべきかっていうと、ちょっと早計かな、と。
 個人的な感覚としては、逆に低重力描写が一切描かれないのが不自然すぎて、意図的のように見えるんだよね。流石に戦闘シーンの砂埃だとかまでフォローしろとは思わんけど、火星舞台のアニメ描く気なら、逐一は無理でも普通の感覚なら物が地球に比べてゆっくり落ちるシーンの1つや2つ入れるのが普通の感覚だと思う。それ一切描かないってのは逆に不自然で、何か理由があると考えた方が納得がいく。
 で、その理由が何ぞやって言うと、鉄血の世界ってひょっとして重力発生装置が実用化されてんじゃねえ?と。
 そもそも鉄血って火星の低重力描写は元より、宇宙空間での無重力描写すら乏しいんだよね。デカい施設内とかなら遠心力区画でもあるのかも知れんけど、実は宇宙船のブリッジ内とかですらどうにも重力下っぽく見える。
 これ普通なら「無重力描写下手くそだなあ」って思う所なんだけど、鉄血の場合「そこだけことさら下手」ってのもちょっと不自然なんだよね。で、極め付けがコレ。

 2話のラスト付近のワンシーン。火星の衛星軌道上に浮かんでる施設内で、手前では整備兵がプカプカ浮かびつつ、主要キャラらが奥の通路を一歩ずつ普通に歩いてる。足の裏に何らか磁気的な吸着装置でも仕込んであるという説もあるけど、他の描写もろもろ考えても重力発生装置が存在してると考えるべきかなあ、と。

 で、ただじゃあそういう設定があるから納得できるかって言うとそれはまた別問題で、むしろ「その設定って無重力描写や低重力描写をせずに済むための言い訳設定になっちゃわない?」という不安は残る。「⚪︎⚪︎って設定なら××も描かなきゃダメ」ってのも視聴者の一方的な要望ではありますが、やっぱり折角SF設定なら、それに即したSF的な面白さを見せて欲しい、と思うのが正直な気分であります。

 ただもちろん、これも今後どうなっていくかは分かんない所で、重力装置の設定が思わぬ面白さを生んでくれるかも知れないので、今後に期待と言った所。
(もし「そんなもん無かった」なら、マジで単に「低重力、無重力描写を上手く描けるスタッフがいなかった」ってだけになるので、そこは正直勘弁)

ロボットアニメとして

 ガンダムなのだから当然鉄血もロボットアニメであり、ロボットアニメなのだからロボット同士のバトルシーンが劇の華な訳であります。
 鉄血の中でロボットアニメとして面白い設定が2つあって、それが「MW<


という訳で、まあ現時点ではこんな所です。総じて言うと「まだ3話段階じゃ何とも言えん」という部分が大きくて、物語的にも3話でようやっとプロローグ終了した感もあるし、もろもろ含めて「これから」かなあ、と。
とりあえず何だかんだで思う所はあるけど、結構面白いでねーかと思いつつ見てます。

(あとこういう事言うとまた信者乙ってな感じですが、今さら新ガンダムが100点満点の面白さだろうが30点の赤点レベルだろうが、Gレコが5万点からマイナス5万点を超高速で行ったり来たりしてたような作品なんで、どっちにしろ誤差範囲かな、みたいな気分で気楽に見てる所あります)