ガンダム Gのレコンギスタ 第二話感想その1

 という訳で第二話感想。
 大まかな粗筋としては、前回捕らえた女海賊アイーダを取り戻しに、海賊がMS戦を仕掛けてきたのでそれを撃退しました、というのが今回のお話。まずは時系列にそって散文的な感想を述べていく。

 冒頭は偉そうな老人キャラ、クンパ・ルシータが報告を受けるという形で前回の粗筋をざっと紹介。が、全体像を親切に教えてもらえるという訳では無く、ここでも専門用語がスラスラと出る事で初見での正確な読み取りは難しい。しかし少なくとも

「デレンセン大尉はそれを皆『でまかせ』だと言ったのだな」

という台詞からデレンセンがアイーダの証言を(前回に引き続き)一切信用していない事などは読み取れるし、

「全て偶然だろう」

という台詞からは、ベルリが今回の件に何らかの因縁を持っている(かも知れない)事、そしてこのクンパという男がその因縁を把握している事が分かる。恐らく、その程度の理解で十分なのだろう。
 クンパの声優演技も、淡々としつつ「でまかせ」の部分が耳につく抑揚となっており、情報量の多い台詞の中でも優先順位の高い情報が自然に印象に残るような演技をしている。

 場面は切り替わりベルリ達の日常パート。「昼休みー!」と言いながらチアガール達が渡り廊下を走っているシーンから始まるが、このワンシーンだけで時間的に前回の騒動からはもう一段落して、彼等が既に学園生活を再開している事や、現時点の時間状況などが一瞬で掴めるようになっている。この辺は流石。

 「謎の少女」ラライヤがチアガールの一員になってたり、頼れる先輩ルイン・リーもまたノレド同様に「クンタラ」である事が明かされたり、法王様が登場したりと、わずかなパートながら当然の情報量。また驚くべき事に法王がノレドと顔見知りかつ、会話も妙にフランク。現時点ではノレドが特別なのか、元々この世界で法王はそういう位置づけなのかはちょっと分からない所。この法王様も冒頭のクンパ大佐同様、何らかの事情なり因縁なりを知っているようで、微妙に思わせぶりな台詞を残して去ってゆく。

 場面は変わり、パーティーの警備に駆り出されたノレドとルインの前に母親が登場。「運行長官の息子」とは前話でも言われていたが、父親の事だと思っていたので母親で少し驚く。

 パーティーの描写で妙に印象に残るのが法王様に対するレセプションの催し物。異国情緒がありつつも現代の何がモデルとはハッキリとはしていないが、それでも何となく「ありそう」な気分はするのが面白い。(単に私が知らないだけかも知れない。アジア風ではある)

 とか何とかやってる内に海賊連中による空襲が始まる。第一話同様に、今話でも「ミノフスキー粒子によって無線が効かなくなる」という描写が繰り返し描かれる。ここでも分かっておくべき設定の優先順位が強く意識されている事が分かる。
 MS戦ではキャピタル側のMSが海賊側に成す術もなくやられていく。戦争に対する練度に大きく差があるのだろう。

 そんな中でベルリ達ご一行はアイーダを助け(?)に囚人の塔へと向かう。途中河を飛び越えるときのマニィの「女の力でええええ!!」という叫びが印象的。マニィは今後MSに乗って戦場に出る事もあり得るかもね。

 囚人の塔に辿りつき、アイーダを探すベルリ君。
 電気が消えた際にベルリはそのまま闇に紛れようとするが、そうした発想の無い女子勢はライトをつけようとしてベルリに注意される。こうした細かなやりとりがキャラクターに血肉を与えてくれる。

 無事アイーダを助け出したベルリ達だが、アイーダとノレドの間が早くも微妙に険悪で、今後の関係性を予感させられる。ベルリがアイーダに惹かれている事にノレドも薄々気がついているのだろう。「女の勘」と言う奴か。
 一方ベルリはアイーダに海賊をやっている理由を聞き出そうとして、軽い口論の末に何故かひっぱたかれる。どうやらキャピタルが発電システムを独占している事に不満があるようだが、細かい内容はこの段階ではまだ分からず。

 囚人の塔を脱出したベルリ達は、ケルベス教官らと合流しGセルフの元へ。Gセルフが他の人間には動かせられないのでベルリが必要なようだ。アイーダも一緒に連れて行くのは、流石にこの場に放置もできないだろうし、アイーダアイーダの方でGセルフの場所まで一緒についていけるならその方が都合が良いのだろう。

 無事Gセルフの元に辿り着いたベルリ御一行、ここでのベルリとアイーダとの噛み合ないやりとりが実に面白いのだが、詳しくは後述。
 Gセルフに乗るよう命令されたベルリが「えーーーー!?」と困惑してみせつつ、即座に「はい!」と笑顔で承諾するのが面白い。


 前回でも謎のMSが自分の方へ向かってくる際に、「くるのかよ!?」の台詞の共にちょっとワクワクとした表情を浮かべていたが、状況に困惑しつつも、自分がそこに関われるのがどうも楽しくて仕方無いらしい。元気でお調子者なキャラクターがよく出ている。


 いざGセルフに乗り込む段階で、ここまで大人しくしていたアイーダがここでGセルフ奪還を試みる。ここでうっかり背中が見えてしまうサービスシーン。エロい。

 アイーダのサービスシーンが挟まった直後、今度はいわゆるガンダムファンらへの濃厚なサービスシーン。普段オールドファンに口では厳しい事を言う富野監督だが、個人的にこういう所サービス精神はかなり旺盛な方だと思う。

 ベルリ君の乗るGセルフが遂に戦闘開始。ここのグリモアとの戦闘描写がまた本当に素晴らしいのだが、これもガッツリ語りたいので後述。

 そしてベルリ君は2話にして早くも「人殺し」を経験。
(「早くも」と言うべきかどうかは分からない。アムロは第一話でパイロットだけ狙ってザクにビームサーベルを突き立てた)
 殺されたグリモアパイロット、カーヒルはヒロインのアイーダにとって、恋仲とまで言えたかはともかく、尊敬と敬愛の対象だったらしい。取り乱すアイーダはベルリに「生き返らせて!」と詰め寄るが、ベルリはそんなアイーダに「それは、無理です…」と弱々しく返す事しかできない。
 明るく楽しい冒険活劇を謳っていた「Gのレコンギスタ」だが、早くも死の暗い影がキャラクターの間に差した所で今話は終了。さてどう続くのか。とにもかくにも「待ち遠しくても、待て!」だそうなので、3話を待つ。
(いやまあ先行上映で私は既に3話までガッツリ見てる訳ですが)

という訳でザックリ感想はこんな所で、深く語っておきたい所は別エントリー化。その2へ続く。